【Zenmuse L1】精度の確認機能について

実際はDJI TERRAのFWですが、DJI TERRAの新しいバージョンのFWに更新すると、Zenmuse L1の「精度の確認機能」という項目が追加されます。
この「精度の確認機能」は、ユーザーマニュアルを見ても結構わかりづらい部分があったと思うので、今回はこの機能の使い方、検証方法について紹介します。
普段からZenmuse L1を使っている!マニュアルを読んで手詰まりになっている!(←これ大事)というそこの人は、結構下まで行っちゃって大丈夫です。
(この検証内容は2023年1月時点の情報です)

精度の確認機能キャプチャー
精度の確認機能はここに表示されます

そもそも今までどうやって精度検証をしていたのか

実はDJI TERRAでは、今までのFWでは精度検証をする機能がありませんでした。
しかし今回の更新により精度検証という項目が出るようになりましたね。
写真測量との違いや、その他の手法での精度検証の方法に関してはまた今度紹介しようと思います。

精度の検証機能でできること

ずばり、Z軸(高度)の検証が可能です。
そのため、X, Yに関しては検証ができないので、それに関しては引き続き他の検証機能を使う必要があります。
これに関しては長くなるので、一旦後述とします。

精度の検証機能が出てこない

DJI TERRAを最新のFWに更新できていない可能性が高いです。
以下のページからDJI TERRA V3.6.0以降をダウンロードしてみましょう。
https://www.dji.com/jp/downloads/products/dji-terra

DJI TERRA 3.6.0
DJI TERRA 3.6.0

検証機能の流れ

  1. DJI TERRAのバージョンを確認する
  2. Zenmuse L1のデータを通常通り構築する
  3. 構築後に検証点のデータを含んだ.csvファイルを作る
  4. .csvファイルをインポートする
  5. 各種パラメーターが正しく反映されているかの確認
  6. 再度構築する
  7. 検証点との差が表示される

1、2は割愛します

皆さん業務でZenmuse L1使っているなら大丈夫だと思います。
1に関しては上で紹介しましたね、もしダウンロードまだであれば済ませちゃってください。

構築後に検証点のデータを含んだ.csvファイルを作る

例えば今回、7点の検証点があるとします。
本来こんなに座標が離れることはないですが、例えば以下のようなファイルを作ります。
以下のコードをメモ帳等にコピペして「正しい座標を入れてから」.csvで保存していただければ実際に使えると思います。

CheckPoint A , 36.11111 , 139.77777 , 9.99
CheckPoint B , 36.22222 , 139.66666 , 9.88
CheckPoint C , 36.33333 , 139.55555 , 9.77
CheckPoint D , 36.44444 , 139.44444 , 9.66
CheckPoint E , 36.55555 , 139.33333 , 9.55
CheckPoint F , 36.66666 , 139.22222 , 9.44
CheckPoint G , 36.77777 , 139.11111 , 9.33

「あれ?緯度経度はわかるけど最後に2つの0.005ってなんだ?」
と思ったそこのあなた、さすがです。
一度マニュアルを振り返ってみましょう。

マニュアルを読み解く

ちなみにユーザーマニュアルはここからダウンロードできます。
たまに更新されていますね、今回はv3.6.0のユーザーマニュアルで紹介します。

P36にZenmuse L1の精度の確認の機能に関する言及があります。
多くの人はここで躓いたのではないでしょうか。
その通り、何も書いていないのです。

優しくないマニュアルP36

なぜか画像のPOSデータのインポートセクション(P13)に飛ばされますね。
ただ、このP13で航空写真測量をするときに使うPOSデータに関する記載があり、これを参考に.csvファイルを作れ、という意味だったのです。
画像をよく見るとName/Latitude/Longtitude/Altitudeの4項目があると思います。
その下の注釈にもある通り、4種類の項目の入れた上で、構築をするんですね。

ヒントだけくれるマニュアルP13

ここで、先ほどのコードを改めてみると上の通り定義されていることがわかると思います。
そのため、このように検証点を設定すると実際に評価できるレポートが作れますね。

//このコードは使えません、上のサンプルコードを使ってください
//このコードは見やすいように表記をあわせているだけです
Name(名称), Latitude(緯度), Longitude(経度), Altitude(高度)
CheckPoint A , 36.11111  , 139.77777 ,    9.99
CheckPoint B , 36.22222  , 139.66666 ,    9.88
CheckPoint C , 36.33333  , 139.55555 ,    9.77
CheckPoint D , 36.44444  , 139.44444 ,    9.66
CheckPoint E , 36.55555  , 139.33333 ,    9.55
CheckPoint F , 36.66666  , 139.22222 ,    9.44
CheckPoint G , 36.77777  , 139.11111 ,    9.33

.CSVをインポートする

ここまで来ることができれば多くの人が表示が残りのステップは無事にこなすことができると思います。

インポートが成功するとこの表示になります

実際のクオリティレポートの例

参考までにDJI TERRAで出力されるレポートの一部を紹介します。
こういった項目が見ることができるんだ~くらいに思ってください。

実際のDJI TERRAで出力したレポート
正直どうやってこの辺の数値を求めたかはよくわかってないです
DJI TERRAって賢いですね

想定される質問・気になる・トラブルリスト

ここでは私が経験したトラブルの一部を紹介します、たまに更新するかもしれません。
他にも読者の皆さんが気になりそうなコンテンツを勝手に紹介します。

  • .csvファイルでないといけないのか?
    • DJI TERRAで実際使ってみると.txtか.csvの2択のようです。ただ、.csvであればexcel等でも正しい形式になっているか確認できるのでやりやすいと思います。
  • 名称はなんでもいいのか?
    • 実際に構築してレポートを作るとわかると思いますが、あとで検証点のラベルを見るようなので、自分と評価者にわかれば大丈夫です。日本語では検証していないですが、英語のほうが無難かなぁ、と思っています。
  • XYとYXのように、.csvの元のデータが逆になっているが大丈夫か
    • 現時点のFWでは、XYでもYXでも大丈夫です。インポートしてから調整ができるようですね。

まとめ

はじめての技術系の備忘録で長くなってしまいました。
ドローンが好きで開いた方は結構驚かれたかもしれませんが、今後はこういう内容を増やしていこうと思います。
このFWは11月にリリースされて2か月くらい経っていますが、ぜひ皆さんも試してみてください。
何かあればコメントなどに残してもらえると、たまに参考にするかもしれません。

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